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これはポルトガルの古い絵葉書です。
昔の北部地方の農民の食事風景が写されています。
テーブルには、フォルミガ工房も作っている陶器のボウルが置かれています。
ボウルに入っているのは赤ワイン。
北部地方では昔からボウルでワインを飲む習慣がありました。

この写真には、こんな昔の物語が隠されています。


◆疲れ馬のスープ◆

まだ自動車や鉄道の発達していなかった時代、
ヨーロッパの他の国々と同じく、ポルトガルで人々の足となったのは馬でした。
遠い町へ行く人や、郵便などは駅馬車と呼ばれる馬車で運ばれました。
都市を結ぶ経路の途中にはいくつかの休憩所が設けられ、
中には宿泊施設を伴うものもありました。
休憩所では疲れた馬と待機していた馬が交換されましたが、
時には馬が足りず、充分な休憩なしに、
また長い道のりを走らせなければならないこともありました。
そんな時、疲れ切った馬に飲ませたのが砂糖入りのワインで、
これを「疲れ馬のスープ」と呼ぶようになりました。

しかし、「疲れ馬のスープ」を飲んだのは馬ばかりではありませんでした。

昔のポルトガルの農村は非常に貧しく、
日々の食事も充分ではありませんでした。
大人も子供も、朝食としてボウルに入れた赤ワインにパンを浸した
「疲れ馬のスープ」を食べていました。
この貧しい朝の食事を済ませると、
小さな子供にも、また一日の厳しい労働が待っているのでした。


「疲れ馬のスープ」には、ポルトガルの歴史の暗い一面が背景にありますが、
今日ではデザートとしてレストランなどで提供されることもあります。


◆現代の「疲れ馬のスープ A sopa do cavalo cansado」のレシピ◆

・ヴィーニョ・ヴェルデ(赤)
・ハチミツ
・卵黄
・パン(ポルトガル北部のとうもろこしの硬いパン)

1)ボウルにヴィーニョ・ヴェルデを入れる。
2)ハチミツと卵黄を加えてよく混ぜる。
3)最後にパンを砕いたものを入れて混ぜたら出来上がり


昔から人々の間に伝わってきた物には、ひとつひとつ、ストーリーがあります。
アンドリーニャで扱うのも、ポルトガルの人々の暮らしとともにあった素朴な物たちです。