<PORTALEGRE>
Cortica (コルク)
その昔、ポルタレグレの町は織物の産地として栄え、その往時を偲ばせる豪奢な
装飾の建物が町のあちらこちらで見られました。
町のインフォメーションを訪れると「コルクの博物館がありますよ」と紹介され、訪ね
てみることにしました。
てくてく歩いて、町のはずれにある大きなコルク工場 Fabrica Corticeira Robinson
に辿り着きました。
この工場は、創業者のGeorge Robinsonが18世紀の終わり頃、イギリスから渡って
きてワインの栓を作り始めたのが始まりで、現在はコルクシートなどの加工品を作って
います。
博物館の入り口が分からずウロウロしていると、係員さんが工場併設の博物館、
Museu da Cortica に案内してくれました。
暗い部屋に案内され電気がつけられると、古い写真や工具、時計やたくさんの道具
が並んでいて、まるでアンティークショップのようでした。隣の部屋には昔の人力
消防車が3〜4台並んでいました。創業者が火の気には随分と気を使ったそうです。
どれも素晴らしい物ばかりで写真に撮りたかったのですが、工場内は撮影禁止とい
う事で、ホテルで旅日記のイラストに残しました。
この博物館は常時開館している訳では無いようでした。しかし、突然の訪問にも関わ
らず、ショールームの新製品から工場の歴史、展示品などについて、つきっきりで
1時間近くも説明をしてくれました。
コルク博物館は、ここの他にもポルトガル国内に数箇所あるようです。
(ポルタレグレ)
アレンテージョ地方でバスに乗っていると、車窓からたくさんのコルクの木が見られます。皮を剥がれて、赤茶の木地が剥き出しの痛々しい姿を初めて見た時はとても驚きました。
コルクの樹皮は一度剥くと9年で再生します。1回目の皮はデコボコであまり使い物にならず、2、3回目が良質、4回目からは砕いて使うそうです。木の寿命が終わる150〜200年頃まで採取されるそうです。
Fabrica Corticeira Robinson
工場の2本の煙突がとても印象的でした。
Museu da Cortica
古いコルクの民芸品の展示がたくさんありました。
Cucharro-ひしゃく
Tarro-お弁当箱
Colmeia-蜂の巣箱
Berco-赤ん坊のベッド
Telha-屋根瓦
屋根瓦は現在製品として作っている物ですが、私はこれが一番欲しいなぁと思いました。屋根全体に葺くのは大変そうですが、部分的に使ったら面白そうです。
ポルトガルワインの栓。
ポルトガルのコルク生産量は世界の50%。
あとはスペイン、アフリカetc...
現在、コルク材は住宅用資材から草履の芯まで、
様々な物に利用されています。
お弁当箱のミニチュア。
本物は保温性抜群!
えっ?...ランチジャー!?