<Viana do Castelo>
ヴィアナ・ド・カステロの刺繍 〜Ola!Portugal写真展より
ポルトガルの各地では、その地域独特の文様や技法で作られた様々な伝統的な布の工芸品が見られます。
ハンカチやテーブルクロスに施された刺繍、ベッドカバーやタペストリーなどの織物、様々なレース編み等々。
これらの技法や文様は、その地域の農牧民の民族衣装に起源を持つものが多くあります。またその衣装の文様や素材
には、その地域の歴史や風土、信仰などが反映されています。
ヴィアナ・ド・カステロの刺繍も、今ではハンカチやエプロンなど様々な形でお土産として店頭に並んでいますが、元を
辿ればこの地域の農民のブラウスなどの民族衣装に施された刺繍に行きあたります。この農民のブラウスには、肩やカフ
ス、首元に刺繍が施されています。
この刺繍の代表的なモチーフには次のような物があります。
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Japoneira(椿) |
Coracao(ハート) |
Caracois(かたつむり) |
【Japoneira・椿】
今から400年ほど昔、椿は日本からヨーロッパへ渡りました。その花はポルトガルでも珍重され、陶磁器などのモチーフとし
ても愛されました。この花の中心部には「ドロンワーク」と呼ばれる、調理器具の「ふるい」のような技法で刺繍されるのが
特徴です。アンティークの作品にはこの中心部の仕上げが非常に細かく美しい物が見られます。
【Coracao・ハート】
ハートの文様はポルトガルの様々な工芸品に見られるモチーフです。キリスト教に関連したモチーフですが、
かわいらしいアレンジがされています。これも中心部にドロンワークが施される事が多いです。
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Espiga(麦の穂)
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Caravos(カーネーション) |
Flores-Coracao(ハートの花) |
【Flores-Coracao・ハートの花】
ハートを組み合わせたり、デコレーションを加えるなど花のように仕立てたモチーフです。
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ヴィアナ・ド・カステロ刺繍のテーブルセンター |
ヴィアナ・ド・カステロの女性用民族衣装 |
【ヴィアナ・ド・カステロの女性用民族衣装】
肩、襟、袖に刺繍がされています。このブラウスは袖が長めに仕立てられており、着たときに袖のあたりがふっくらとした
シルエットになりとても可愛らしいです。